アニーさんのお話(ジョンディア社ゴルフ&ターフ部門アジア担当)

今回登場して頂くのは、ジョンディア社のゴルフ&ターフ部門のプロダクトマネージャーでアジアを担当されているアンチャリカ・プラッシュプラン女史です。(私たちはいつも彼女のことをアニーさんと呼んでいますので、ここでもアニーさんと呼ばせて頂きます。)


 

14アニーさんはタイご出身で、以前兵庫県にある西宮北GCで開催されました『アジアの家チャリティーコンペ』にも海外から唯一ご参加して頂きました。そしてアジア担当とういう事もあり、よく来日されており、親日家でもいらっしゃいます。日本のことはよく勉強されていますので、私たちも彼女に時々日本国内の事を聞かれて質問の内容に驚かされたりします。そのアニーさんから見た日本はどのような国なのでしょうか?ジョンディア社のゴルフ&ターフ部門のプロダクトマネージャーの立場から見た日本、個人的に見た日本、そしてジョンディア社の環境に対する姿勢についてお話を伺っていきたいと思います。

── 『アジアの家チャリティーコンペ』に何度かご参加して頂きましてありがとうございました。

アニー 「こちらこそ有難うございます。このチャリティーコンペを開催した『アジアの家』はタイの貧困に苦しむ方々を支援している市民団体とお聞きしました。私もタイの出身なので参加するのは当然だと思います。何かお役にたてればという気持ちが常にありましたからね。参加できて光栄です。それと紙面を借りてお礼申し上げます。日本の方たちに私共の国に暖かな手を差し伸べていただけて本当に嬉しく思います。」

── そう言っていただけると嬉しいですね。微力なのですが、少しでも色々な方々にタイの状況をわかっていただけたらなと思って開催しました。それと悲しいお知らせなのですが、この『アジアの家』を主宰されていた姫路市の内科医西川先生が昨年の夏にお亡くなりになられたのです。

アニー 「えっ本当なんですか?熱心に活動されていると聴いていたのですが・・・。そうなんですか・・・。でも熱心に活動していただいたことは本当に有難いことです。心からご冥福をお祈りいたします。」

── 西川先生は亡くなられましたが、日本でタイやアジアの人々に対する想いは消えていません。『アジアの家』としての活動も名前が変ったとしてもこれからも続いていくことと思います。

アニー 「それを聞いて安心しました。ここで辞めてしまったら意味がないですから。ずっと続けていってほしいです。それに今は世界的にエイズ撲滅運動などを訴えている市民団体等が活発に活動していますし、ボランティア活動をされている方も増えてきてますからね。」

── そうですね。日本でも多くの方がボランティア活動をされていますし、大勢の若い方々もボランティアに参加するようになりました。それに昨年、日本は災害に見舞われました。今も新潟や豊岡市、福井の方々が被災されてご苦労されています。こういった方々の復興のためにもボランティア活動は大切ですね。

アニー 「昨年は日本だけではなく、世界中がまさに異常的な気象でした。世界中の被災された方々への復興支援も当然必要となってくるでしょう。ですからこういう時にこそ国が支援するといったことが大事だと思います。でも日本ではまだまだ国の支援が行き届いていませんね。これは非常に残念なことですよ。」

── でもこういった異常気象の背景には今までの環境に対する姿勢が悪かったのではないかと感じますが。

アニー 「私がアメリカの大学にいた時、校内も含めて緑がたくさんありました。アメリカの学校はグラウンドも芝生ですし、緑はたくさんありますね。でも日本に来て思ったことは都会では非

常に緑が少ないということでした。これにはびっくりしましたね。」

── 確かに日本の場合、都会では緑が少ない感じがしますね。田舎の方に行けば緑があふれているんですが。

アニー 「何か対策を練らないといけないと思いますよ。」

── 日本では今、校庭緑化や屋上緑化といった、都会に緑を増やしていこうと色々な方々が対策を練り始めました。ほんとうに緑が少ないと感じたんだと思います。京都議定書のこともありますしね。

アニー 「それはいいことですね。これからの環境のことを考えると必要なことですね。」

── ところでジョンディア社としてはこの環境問題をどう捉えていますか?

16アニー 「私たちは機械を製造している会社ですので、環境問題と言うことになりますと、環境に配慮して商品作りと言うことになります。私の担当はゴルフ&ターフなのでゴルフ機器の話になってしまいますが・・・。例えば弊社から現在、2500Eというグリーンモアがアメリカで発売されています。この機械はモアの部分を電動式にしました。日本でもアメリカでもこのモアの部分は油圧ドライブがほとんどだと思いますが、電動式にすることによって油漏れの心配がなくなり、グリーン上での作業が安心してできるようになりました。油漏れひとつにしてもそこから環境汚染が始まってしまいますからね。」

── まさに人に優しく、環境にやさしいですね。

アニー 「地球環境もそうですが、環境というのは人間に対してとても大事ですからね(笑)。」

── 確かにそうですね。地球環境のことを考えると、人間の環境にも繋がっていきますから。

アニー 「でも2500Eはほんの一例ですけど、ジョンディア社としては環境問題は無視できないですからね。10年先といった長いビジョンで考えなくてはいけません。そういった意味ではまだまだこれからですよ。」

── そですね。環境に対しての取り組みは地球の歴史を考えればまだ始まったばかりですね。私たちの業界も先を見越して考えていかなければいけません。本日はお忙しい中、有難う御座いました。


この研究会リポートにも出演いただいたタイで貧困に苦しむ人々を支援する市民団体『アジアの家』の西川芳樹先生がお亡くなりになられました。非常に熱心にボランティア活動をされていました。西川先生のような方がいらっしゃったからこそ私たちは人に優しくを実感し、実践させて頂けました。心よりご冥福をお祈りいたします。微力ですが、私も出来る限り今後もアジアの家の活動を見守っていきたいと思います。

それとアジアの先進国の日本がタイの方から見てもやはり緑が少ないというのが印象ということでした。緑が少ないということは環境的に良くないということではないでしょうか?最近になってようやく校庭緑化の話が進んできました。校庭緑化は子供たちを怪我などから守り、思いっきりスポーツが出来るといった教育的な側面と現在も問題になっているヒートアイランド現象をどう防ぐかという問題とも関連してきます。これらも含めて、これから校庭緑化の話しが全国的に広がっていくことに期待したいと思います。