韓国・ククジェインタートレード(株)D.H.季社長とB.C.季理事のお話

今回の研究会リポートに登場して頂きますのは、お隣の国・韓国のゴルフ業界で活躍されています、ククジェインタートレード(株)のD.H.季社長とB.C.季理事のお二人です。

22ククジェインタートレード(株)は世界屈指の緑化機械メーカーでありますジョンディア社の韓国の輸入総販売元です。また、日本のT.W.T緑化機械の輸入販売元でもあります。予断ですが、日本のジョンディア総輸入販売元でありますハマダゴルフ機器株式会社の濱田社長とは特に親交が深いそうです。そんな大の日本びいきでもありますお二人に今の韓国のゴルフ事情、また、韓国の環境対策についてお聞きしたいと思います。


 

── 今韓国は空前のゴルフブームとお聞きしていますが・・・

季社長 「はい。スーパースターのタイガー・ウッズではありませんが、ミッシェル・ウィーとか世界的に有名な韓国のスタープレーヤーが出てきていますので、女性のゴルファーも増えていますし、ジュニア育成にも力を入れていますね。」

季理事 「おかげさまで韓国のゴルフ場は平日でもエントリーするのが大変なくらい賑わっています。」

季社長 「2ラウンドするゴルファーも結構多いんです。」

── すごい人気でうらやましいですね。(笑)

季理事 「韓国ではゴルフプレーヤーの数に比べてゴルフ場の数が追いつかないものですから(笑)。まだゴルフ場の開発が続いています。」

季社長 「それで、日本にもゴルフをする為に沢山の韓国人が行ってますよ。」

── そうですか。ありがとうございます。嬉しいですね。日本のゴルフコースは韓国に比べれば、平日はまだゆとりがあるようですので、近いですからぜひ皆様にプレーをしに来て頂きたいですね。

季理事 「韓国企業経営のゴルフコースも日本で増えて来ていますね。」

── はい。昨年この紙面でもご紹介しましたハンワグループさんのゴルフコースもそうですね。この業界でも私達民間レベルで、経済を中心にどんどん交流をして、両国間の過去のわだかまりも吹き飛ばして頂けたら嬉しいですね。

季社長 「我々は日本の人達と仲いいですよ。濱田社長がよく冗談で仲が悪いのは、両国のガバメントだけって言って笑っていますが私も同感です(笑)。」

季理事 「韓国では、カートはメイドインジャパンの信頼性はかなり高いですよ。うちはサンヨーのカートを販売していますが、お客様の評判はとても良いですね。」

季社長 「日本のどちらかといえば関西と地形が似ていますので、ゴルフコースもアップダウンがきついです。ゴルフ場オーナーにも、カートは日本製で満足してもらっています。」

── それは嬉しいですね。ところで、カートの主流は何でしょうか?

季理事 「バッテリーと電磁誘導ですね。日本はどうですか?」

── 私の知っている範囲では、日本は圧倒的にマニュアルが増えてきていますね。女性ゴルファーなんか、まず予約する前にカートがゴルフコースにあるかどうか確認されたりするそうです。アメリカではグリーンの近くまでカートの乗り入れを許可していますが、日本の芝生のメンテナンスを考えると日本では難しいです。韓国はいかがですか?

季理事 「はい。きっとお客様のニーズなんでしょうね。韓国もキーパーはカートが乗り入れになったら芝管理するのに大変だと思いますよ。」

── そうですね。時代と逆行するかも知れませんが、ゴルフはスポーツですから少しは歩きませんとね・・・。ところで、世界的に地球温暖化による環境対策で、農薬の規制も厳しくなってきていますが、韓国ではいかがですか?

28季社長 「最近は我々の業界に対する規制が厳しく、ゴルフ場での農薬散布に関しては散布量が大きな問題になりました。韓国政府が、環境省と協力してゴルフ場の農薬散布量を厳しくチェックしています。」

季理事 「それで、各ゴルフ場では農薬散布量を定期的に環境省に報告する事を義務付けられています。」

── 日本も同じです。

季理事 「私は、キーパーにジョンディアのHD200を使ってスポット的に農薬を散布する方法ですとか、減農薬の為にジョンディアの2030でコンピューターによる低圧散布を勧めています。農薬が少ない量で効果的に散布できるので、農薬の販売会社の方にも喜んでもらっています。もちろんゴルフ場の方にも・・・。」

── 機械で農薬散布量を調整して効果を上げるのは、日本のキーパーも同じですね。ジョンディアマシーンも環境対策に一役買っているわけですね(笑)。

季社長 「そうですよ。私達はゴルフ場業界に省力化と環境対策にお役に立つ製品を紹介しています。それが、社会貢献に繋がると信じています。」

── 日本では芝カスの処理がなかなか難しいのですが、韓国ではいかがですか?

季理事 「韓国ではダイオキシンの問題がありますので、有償で廃棄している所がほとんどですね。」

季社長 「昨年の経済新聞に掲載されましたが、ケースルパイCCが微生物の特許を取得しました。微生物で芝草の刈カスを分解するのです。そして堆肥化します。日本では微生物を使ったりしますか?」

── 一部のゴルフ場のキーパーは、微生物を有効利用して、芝カスの堆肥化の促進をしています。ただ問題がいくつかありまして、その堆肥をどこへ撒こうかと・・・。それで産業廃棄物処理をしてもらっているケースが多いですね。

季社長 「私たちが思いますのには、米国のように家の周りにゴルフ場があればその地域の環境対策は万全だと地域住民は安心して暮らせますと言われていますが、この業界の人間として韓国でもそう言われるように願っています。それで、韓国のゴルフ場のオーナーとよく話をしますが、『我々の会社は、農薬に依存した芝生管理よりも少々経費が高くなったとしても、健康第一のゴルフコース作りのお手伝いをします。』と話しますと皆さんに『それはいいことだ』と共鳴して頂いていますね。まぁ、その分は我々のプレー費が若干高くなりますが・・・(笑)」

── 日本も韓国もゴルフコースの近くの住宅環境は最も安全だと言われるようになれば良いですね。本日はお忙しい中有難う御座いました。


ククジェインタートレードの季社長と季理事は、環境保全の為のコンセプトとして、健康第一のゴルフ場作りに貢献していきたいとの事です。ゴルフはスポーツで、私達の体力づくりに一役かっています。そのゴルフコースで、安心、安全、快適にプレーが出来れば、とても幸せです。ストップ地球温暖化に、ゴルフコースの芝生が貢献していると思うのは、身内の身びいきでしょうか?コースコンディションのレベルを維持しながら、地域の環境対策にこれからもゴルフ業界が貢献して行ければ幸いです。